人の動きには「クセ」がある
店舗の動線設計が売上に影響する理由
店舗の動線設計が売上に影響する理由
店舗での購買行動は、
「商品が良いか」「価格が安いか」だけで決まっているわけではありません。
実は、人がどの方向に進み、どちらの手で商品を取るかという
ごく無意識の動きが、選ばれる・選ばれないを大きく左右しています。
現場を観察すると、来店客の動きには明確な傾向が見えてきます。
入店後の動きは大きく2つに分かれる
多くの店舗では、入店後の進み方が次の2パターンに分かれます。
・入店して右方向へ進む人
・入店して左方向へ進む人
一見些細な違いに見えますが、
この差は視線の向き・体の動き・商品への手の伸ばしやすさに直結します。
多くの人は「右利き」であるという前提
日本では、約9割の人が右利きと言われています。
つまり、無意識の行動として
・商品は右手で取る
・右側にあるものを選びやすい
という傾向が生まれます。
これは感覚論ではなく、
身体構造に基づいた人間工学的な特徴です。
右方向に進む人が感じている「楽さ」
入店後に右へ進む人は、次のような状態になります。
・自然に右側の棚が視界に入る
・右手が自由に使える
・体をひねらず商品に触れられる
このとき、右側にある商品は
心理的にも物理的にもストレスが少ない位置にあります。
そのため、
主力商品や利益率の高い商品をこのゾーンに配置するだけで、
手に取られる確率は大きく変わります。
左方向に進む人は「見る」と「取る」がズレやすい
一方で、左方向に進む人は少し特徴が異なります。
・入口付近の左側の情報に目が行きやすい
・商品を取る動作自体は右手
・一度立ち止まってから手を伸ばすことが多い
ここで重要なのは、
視線の方向と、実際の動作が一致しにくい点です。
そのため左側ゾーンでは、
・遠目でも伝わる分かりやすい訴求
・近づいたときに取りやすい配置
この2段階の設計が効果を発揮します。
「見える位置」と「取れる位置」は別物
売上が伸び悩む店舗では、
この2つが混同されているケースがよくあります。
・目に入る位置
・手が自然に届く位置
目立っていても、取りにくければ行動されません。
逆に、取りやすくても気づかれなければ存在しないのと同じです。
人は“考えなくていい場所”から商品を選ぶ
買い物中、人はできるだけ負担を減らそうとします。
・体をひねらない
・しゃがまない
・背伸びしない
こうした無意識で完結する動作の範囲にある商品ほど、
選ばれやすくなります。
これは価格やデザイン以前に、
配置の問題です。
売れにくい配置は「行動のハードル」を上げている
よくある例として、
・主力商品が下段にある
・売りたい商品が棚の奥にある
・手を伸ばさないと届かない位置にある
これらはすべて、
お客様に余計な動作を求めている状態です。
人は、
努力が必要な選択を本能的に避けます。
人の体に沿った設計は、売り込まなくていい
人間工学を意識した店舗では、
・説明を減らしても売れる
・POPを多用しなくても伝わる
・接客の負担が軽くなる
といった変化が起こります。
それは、
人の動きに逆らっていない設計になっているからです。
売上改善の第一歩は「配置の見直し」
売上を伸ばすために、
コピーを考える前に
販促物を作る前に
まず確認したいのは、
人はどこを通り、
どちらを見て、
どの手で商品を取っているのか。
右回りか、左回りか。
利き手はどちらか。
無意識で動ける配置になっているか。
配置を整えるだけで、
売り込みをしなくても売れる状態はつくれます。