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店舗・院が発信すべき情報の見つけ方|お客様目線の棚卸し

2026/09/15

【コラム】

発信しているのに来店や予約につながらないとき、足りていないのは魅力の伝え方ではなく、判断材料であることが多いです。多くの人は迷って離脱したのではなく、来る前に「うちには無理そうだ」と諦めています。その判断を左右しているのが、社内では当たり前になっている情報です。

来店をあきらめさせているのは、書いていない情報

ある院のSNS運用を担当していたときのことです。入っているビルのエレベーターが小さく、そこがベビーカーで来られるかどうかの分かれ目になっている、という話を伺いました。

「小さいので、これ双子ちゃん無理かもって諦めちゃうパターンが嫌なんですよ」

続けて、こうも言われました。

「小さいけど入るっちゃ入るんですよ」

実際には入ります。ただ、外から見ただけでは、そこが判断できません。判断できないとき、人は安全な側を選びます。つまり、行かないほうを選ぶ。しかもこれは特別な事情でもないようで、「新しい店舗内見とか言って、すごい箱が大きくてもベビーカーが、双子ベビーカー全然入れないエレベーターだったりするんですよ」「だから結構あるんだなーって」という実感もあるそうです。

お客様が知りたい情報は、行く直前にだけ必要になる

この種の情報には、必要とされるタイミングに強い偏りがあります。

「普段の日常だと気にしてないですけど」
「いざ何かこう施術受けに行くとかになったら、そうなりますよ」
「そこに多分アンテナを張ってるお母さん多いだろうなぁと思います」

いつも探されている情報ではありません。行こうと決めた瞬間だけ、優先順位が一気に上がります。だから公開した直後の反応は静かなままかもしれません。それでも、その一回に間に合わせるために置いておく価値があります。反応数だけで判断すると、いちばん効く情報を落とすことになります。

完璧な写真を待たず、撮れる範囲で素材にする

見せ方で無理をする必要はありません。このケースで挙がったのは、ビルの入口、エレベーター、そしてベビーカーを置ける場所。この3か所さえ撮っておけば「3パターン作れるのかなと思って」という見通しになりました。

いちばん伝わるのは、ベビーカーが実際に収まっている写真です。ただ、営業中にその場面を押さえるのは簡単ではありません。そこで「空のエレベーターでもいいんで写真撮っていただいて、ベビーカーが入っている合成写真みたいなの作って投稿とかもします」という進め方にしました。

他の方の私物が写ってしまう場合の扱いも決めています。「一応ぼかしもしますけど」に加えて、「ちょっと引き気味に、画像小さめに使う」。撮影のハードルを理由に出さないまま終わるのが、いちばん惜しい判断です。完成度の高い一枚を待つより、判断できる材料が今週出ているほうが、行こうか迷っている人には役に立ちます。

社内の呼び名のままでは、探している人に届かない

言葉の調整も必要になります。このとき、いただいた写真のファイル名が「キッズルーム」でした。社内ではそれで通じますし、誤りでもありません。ただ、外の人が確かめたいのはその名前ではありません。

そこで、投稿に載せる言葉は「ベビーカー置き場もありますみたいな、ベビーカー来院OKみたいな」という形に直しました。施設の名称を変更したわけではなく、探している側が使う言葉に寄せただけです。伝わらない原因は、情報が足りていないことより、内部で使っている表現のまま外に出ていることのほうが多いように思います。

発信できる情報を洗い出すチェックリスト

  • 入口から施術室や売り場までに、段差や狭い場所がないか。それを書いているか
  • ベビーカーや大きな荷物を置ける場所の有無を、案内しているか
  • 「うちでは当たり前」と思って一度も投稿していないことが残っていないか
  • 写真やページに付けた名前が、社内の呼び名のままになっていないか
  • 予約サイトや紙の案内にだけ書いてある情報が、SNSに出ていないか

新しく作る前に、社内にある情報を移す

この手の情報は、社内のどこかにすでに書かれていることがほとんどです。今回も新たに文章を起こしたのではなく、予約サイトに掲載しているブログ記事から「情報を流用してきて」画像に仕立てました。

すでに文章はあるのに人目に触れていない場所から、目に入る場所へ動かす。制作するより配置を変えるほうが、結果が早く出ることは珍しくありません。社内の資料や過去の案内文を見返すと、すでに書いてあるのに一度も投稿していない情報が出てきます。まずはそこから拾うほうが、ネタを考えるより早く手が動きます。

効くのは、派手さより量

目立たない情報を出し続けた結果、「先週もう一人インスタからいらっしゃったみたいで」という報告が届きました。フォロワーの増え方と来院数が「まあまあトントン」で連動している、という手応えもありました。

打ち合わせの最後は、こんなやり取りで終わりました。

「やっぱり投稿をしっかりやるっていうことは大事そうですね」
「はい、そうですね。量ですね」

一本の力作を狙うより、地味な事実を欠かさず出し続けるほうが結果に届きます。社内で当たり前になっていることは、外の人にとって来る理由になるか、諦める理由になるかのどちらかです。その視点で見直すと、まだ出せる材料はかなり残っているはずです。

まとめ

  • 来店をあきらめさせているのは、社内で当たり前になっていて書いていない情報
  • 反応が薄くても、行く直前にだけ必要になる情報は置いておく価値がある
  • 素材は新しく作るより、社内にすでにある情報を読まれる場所へ移すほうが早い

D-thermoは、店舗や院のSNS運用を、投稿の企画から画像制作まで伴走している会社です。何を出せばいいか迷っているときは、社内の当たり前を洗い出すところからご一緒できます。