QRコードが読み取れない原因と、印刷物・画像への載せ方
QRコードから反応が返ってこないとき、原因の多くは中身ではなく載せ方にあります。色を変えた、画像が粗い、小さい、数が多い。このどれかで、読み取られる前に止まっています。QRは載せた時点では、まだ入口になっていません。
色を付けたQRコードは、刷る前にその場で試す
先日の打ち合わせでは、その場でスマホを取り出して、デザインに合わせて色を変えたQRを読み取ってみました。結果は、読み取れず。
「これ黒いQRじゃないとダメなんですかね」という話になり、続けて別のコードで試したところ「今LINEのやったら黒だったらできました」。
つまり、デザインを優先して色を変えた瞬間に、入口としての役目は終わっていたことになります。読める前提のまま話が進んでいれば、そのコードのまま刷り上がっていたはずです。この種のつまずきは、注意不足というより、試す機会が工程のどこにも用意されていないことから生まれます。
防ぎ方は単純で、入稿データができた段階で一度、本番と同じ色・同じサイズで出力して読み取ってみる。この一手間を工程に一行入れておくだけで、刷り上がってから気づく事故はほとんどなくなります。
画像に載せたQRコードは、保存のしかたで結果が変わる
紙より条件が厄介なのが、投稿画像に載せたQRです。写真として保存してから読み取ろうとすると「写真だと荒くなっちゃって」うまくいきません。
一方で「拡大しても荒れないって感じでスクショしてだったら、たぶんこれいけるんじゃないですか」となりました。
同じコードでも、相手がどう保存したかで結果が分かれるわけです。紙であれば刷り上がりを一度読み取れば検証は終わります。画面に出したQRは、受け取った人がどう操作するかまで含めて、ようやく成立します。
確かめるときは、自分の投稿を人と同じ手順でたどるのがいちばん確実です。実際に出した投稿をスマホで開き、保存してから読み取る。制作画面で見えている状態と、相手の手元に届く状態は別物です。
印刷・投稿の前に確認するチェックリスト
- 実際に使う色と大きさのまま、スマホで一度読み取ったか
- 色を付けたQRを、黒いQRと並べて読み比べたか
- 画像のQRを、写真保存とスクリーンショットの両方で試したか
- 一つの紙面、一つの投稿にQRを並べすぎていないか
- 読み取り方がわからない人向けの一文を、QRのそばに添えたか
読み取れても、操作を知らない人はそこで止まる
技術的な条件をクリアしても、それだけで入口になるわけではありません。QRの扱いに慣れていない人は、コードの前で手が止まります。
そこで、画像に一文を添えることにしました。
「スクショして、長押しでここからアクセスできますみたいな感じですかね、書かないとですね」
操作に慣れている人には要らない案内です。ただ、書き添えるのを野暮に感じて省くより、入ってもらえないほうが損は大きくなります。説明といっても長さは要りません。手順を一行、コードのすぐ横に置いておけば足ります。
あわせて導線の置き方も見直しました。投稿を見た人がプロフィールへ戻り、そこに置いたURLを押す。文字にすると自然な流れです。ただ実際は「一旦プロフィール戻ってURLクリックしてみたいな人って、確かに考えてみると少ないのかなという感じ」でした。むしろ「メモとして取ってスクショしておくみたいな人はいそうです」という見立てのほうが実態に近い。そこで導線を並べるのはやめて、QR一本に絞りました。
入口は、減らすほど読み取られやすくなる
並行して動いていた紙媒体でも、これと同じ結論になりました。裏表紙に4つのQRが並んでいる状態で、「ちょっと小さい印象があるんで」という指摘が出ました。
「2つぐらいにすると大きくなるんだよね」
この一言で、4つを2つにまとめました。数を減らせば、一つあたりの面積が増えます。大きくなれば読み取りやすくなりますし、どこへ行けばいいのかも迷わなくなる。用意した入口の数と、実際に使われる入口の数は比例しません。
入口を並べたくなるのは、どれかが刺さればいいと考えるからです。ただ受け取る側からすると、選択肢が増えた分だけ判断が必要になります。迷った人はたいてい、何も押さないまま次のページへ進みます。
行き先を一つに決めて、文言もそろえる
集約先は、この一言で決まりました。
「LINEに一番誘導したい」
根拠もはっきりしていました。「LINE登録してくれたら個別のやり取りもできる」から。届けて終わりではなく、返事が返ってくる場所を行き先に選んだわけです。行き先を決める基準は、数字が伸びるかどうかよりも、そのあとに会話が続くかどうかだと思っています。
行き先が決まったので、添える文言も合わせて変えました。
「こっちから発信するだけじゃなくて、いろんな意見もこっからお寄せくださいみたいな、そんな見せ方で」
お願いする言い方から、受け取る言い方へ。同じコードでも、こちらの姿勢が変われば意味が変わります。読み取れる色か、荒れない画質か、迷わない大きさか、絞られた数か、そして一言添えてあるか。ここまで揃って、ようやく入口として働きます。
まとめ
- QRが読まれない原因は、色・画質・大きさ・数のどれかにあることが多い
- 刷る前・出す前に、本番と同じ条件で自分のスマホをかざして確かめる
- 入口は増やすほど弱くなる。行き先を一つに絞り、添える一文まで設計する
D-thermoは、チラシや冊子といった紙媒体から、SNSの投稿画像や導線の設計までを一貫して手がけている会社です。手元のツールが入口として機能しているか気になるときは、現物を拝見するところからご相談いただけます。