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社内にある発信素材の見つけ方とコンテンツ棚卸し

2026/09/07

【コラム】

発信の素材が見つからないとき、足りていないのはネタではなく、探す方向です。強い素材は、たいてい社内ですでに書かれています。

伸びている投稿を調べ、流行の型へ当てはめて考えたものは、どうしても借り物の言葉になります。先に手をつけるべきなのは、いま自社にあるものを一度並べて見ることです。

発信素材を外に探す前に、社内を棚卸しする

棚卸しといっても、特別な作業ではありません。すでに定期的に発生している文章・記録・データを、投稿候補として数え直すだけです。

コツは、「発信用に書かれたかどうか」を条件から外すこと。社内連絡、朝礼の内容、スタッフ向けの資料。外部に見せる想定がなかったものほど、素材としては強かったりします。

毎朝配信されていた社内メッセージが、そのまま素材だった

あるサロンの代表は、社内用の連絡アプリを使って、毎朝5時半に全スタッフへメッセージを送っていました。火曜を除いて毎日、それをずっと続けているとのことでした。

そのアプリは一般的なチャットツールと違い、「誰が見てて誰が見てないまで分かる」仕様でした。だから「朝礼でやるんだったら、全員が開いてないとおかしい」という前提で運用されていたそうです。

代表ご本人の言葉です。

「これを、でもうまく使えたらいいなってずっと思ってたので」

聞いた瞬間、私は身を乗り出しました。「これはめちゃめちゃ使えますよ。毎日やってるんであれば、なおさらいいですね」。

社内向けの文章のほうが人柄が伝わる理由

実際の配信文も見せていただきました。その回のテーマは「見えないものを大切にする」でした。

「履物を揃えること、挨拶を先にすること、そして相手が言葉にしない気持ちを察すること、誰も見ていない場所をきれいにすること」

「どれも売り上げにすぐつながらないかもしれません。でもその積み重ねが、この人なら信頼できるという人間力になります」

「技術の前に人としてのあり方を磨く」

いずれも社内のスタッフへ宛てた文章で、公開する想定はありませんでした。それでも、対外的に出したときに人柄がもっとも伝わるのは、こうした文章です。

理由ははっきりしています。発信を目的に書いた文章には、どうしても体裁を整えようとする力が働く。ところが毎朝の社内メッセージには、その動機がありません。宛先が決まっていて、伝えるべきことだけが並んでいる。だから一行目から、書き手が何を重んじているかが見えてきます。

社内にある発信素材の棚卸しチェックリスト

自社に何が残っているか、次の項目で確認してみてください。

  • 毎日または毎週、社内に向けて発信している文章があるか(朝礼、連絡アプリ、日報)
  • 過去に書いたブログ記事やメルマガが残っているか
  • セミナーや研修で使ったスライド、配布資料が保存されているか
  • 業務中に撮った写真や動画が、共有フォルダに残っているか
  • お客様からよく受ける質問と、その回答が文章化されているか

資料が散らかっているのは、素材が多いということ

こうした話をすると、「うち、資料がぐちゃぐちゃなんです」と申し訳なさそうにする方がいます。過去のデータが方々に散らばっていて手がつけられない、という状態です。

私の返答はこうでした。

「むしろこれだけ素材あれば、あと整えるだけなんで、逆にファイルはいっぱいあった方がいい」

雑然としているのは、それだけ手を動かしてきた証拠です。何もないところから素材をこしらえるより、散らばったものを並べ直すほうが圧倒的に速い。販促の現場でも、行き詰まるのは決まって「まだ何もない」側であって、片づけの側ではありません。片づけは作業量の問題ですが、存在しないものは発想から始める必要があります。

撮った動画は社内にも回すと二重に使える

棚卸しとあわせて提案しているのが、撮影した動画を社内共有のグループへも投稿することです。

外部向けに撮ったものを、そのまま社内にも展開する。「業務上でも使えますし、外向けの販促的にも使えたりだとか」という状態になります。

一度の手間が二か所で効く。発信を追加業務として抱えるのか、いまの仕事の延長線上に置けるのか。ここが続くかどうかの分かれ目になります。

尺は後から調整できる

実務面も少し触れておきます。参考にしたアカウントの動画は、1本あたり1分40秒から2分程度でした。これを1分に収めたい場合、原稿量を「この半分ぐらいの文章量」にすれば済みます。

別の方法もあって、話す量は変えないまま1.3倍速から1.5倍速へ上げ、「ギュッとしていい」。テンポが出るぶん、こちらのほうが向く題材もあります。

長さは、編集の段階でどうにでもなります。どうにもならないのは、そこへ載せる中身のほうです。

まとめ

  • 発信の素材は外部に探しに行かず、社内にあるものを棚卸しするほうが速い
  • 体裁を整えた文章より、習慣として書き続けてきた社内向けの文章のほうが人柄が伝わる
  • 資料が散らかっている状態は素材が多いということで、ゼロから作るより有利

D-thermo株式会社は、販促物の制作から発信素材づくりまでを手がけています。社内に何が残っているのか分からない、どこから着手すべきか決めきれない、といったご相談も受けています。